○スピードラーニングのような「聞くだけ英語教材」の台頭と年々賢くなる英語学習者
「聞くだけで…」「英語をシャワーのように…」「英語が口からあふれるように…」などのコピーは誰でも一度は聞いたことがあるはずだ。そう、これらは英語教材のキャッチコピーだ。昔から売り続けているものもあれば、新しい理論で開発された教材も中にはある。また、英語関連の書籍も売れている。これらを買いあさっている消費者にとって、「英語を学ぶ」ということは一体どういうことなのだろうか。
ほんの数年前まで、英会話というのは「英会話スクールにいってネイティブスピーカーに教えてもらう」ことが最も効果がある学習であると、消費者も信じていた。もちろん、いまでも大勢は変わらない。ただ、一部の人は疑問を持ち始めているのだ。何に?自分が過去に行ってきた英語学習にだ。
中学・高校と実行してきた英語学習がほとんど効果が無かったのは、すべての消費者が感じていることだ。そこで一般的な消費者はこう考えた。「英語もろくにしゃべれない学校の英語教師に教えられてもしゃべれるようになるわけがない」そこで、ネイティブスピーカーのいる駅前スクールへ大挙して押し寄せたのだ。そこには希望があった。「ネイティブなら私をしゃべれるようにしてくれる」、しかし1~2年が経ちその希望は打ち破られる。「これだけではだめなんだ」。消費者はここから学び2007年頃から次のステージへと進んでいった。
○英会話学習のダブルスクール化は進んでいく
消費者はネイティブスピーカーから英語を習うことの有効性を知っている。反面、ある現実にも気がついている。英会話スクールのレッスンだけでは時間が足りない、でもこれ以上スクールに通うお金もない。つまり、「スクールだけでは英語はうまくならない」のだ。そこで登場するのが英語教材やオンライン英会話スクールといった自宅でできる「第2の学校」つまり、ダブルスクールだ。
スクールにとってこの傾向はある意味怖い。なぜなら、自宅での学習やオンライン英会話に可処分所得をとられてしまうからだ。自然とスクールに払うお金は少なくなる。さらに、自宅学習の方が主軸になると実践の場であるネイティブスピーカーのレッスンは価格の勝負になってしまう。安い方へと流れていく傾向が進むだろう。
では、英会話スクールとしてはどう対応すればいいのだろうか。答えは簡単。スクールが「ダブルスクール」を始めればいいのだ。お勧めの教材を用意して生徒さんへ提供してあげるのだ。
さらに、自宅学習した内容をレッスンでフォローしてあげれば、生徒の中で英会話スクールやレッスンの重要度は高まりレッスンの時間を削らないようになる。また、価格に流れされない「顧客の囲い込み」ができるのだ。これは生徒にとっても非常に良い事で英語学習の時間が増えれば、上達も早い。
○スクールの収益構造も変化していく
英会話スクールがオンラインスクールを持つことは収益性を高めることに他ならない。運営自体の利益もあるし、前述したように顧客の囲い込みがうまく機能すれば、他校への移動も無くなり、更新も増え、定着率は伸びるはずだ。
中小のスクールではソフトの自社開発などする余裕はないし、Skypeなど無料通信ソフトでのフィリピン人によるビジネスモデルでは利益が出にくい。また、ソフトの良し悪しを一つ一つ見ている暇もない。そこでAtlasでは独自のソフト開発を行い、すでに3年ほど前にSkypeに代わるeAtlas2.0バ―ションとしてサービスを提供している。http://atlase.net/eatlas/dokuzi_room.html
このシステムの試験運用でうまくスクールが機能すれば質の高いオンラインソフトの開発を考えている。ここまで読んでいただいた方はお分かりだと思うが、「ダブルスクール化」の傾向は、スクール経営を改善する非常に良いチャンスだ。レッスンと教材で健全な利益が取れれば、生徒に対するサービスも良くなり、生徒の自宅学習フォローと相まって、すばらしいスクールができるはずだ。この機会に是非、真剣に取り組んでいただきたい。
|