○無料体験レッスンの大切さ
英会話スクールの経営者という立場から、そして顧客という両面からスクールのシステム説明と無料体験レッスンを検証してみよう。
無料体験レッスンというものは、全ての英会話スクールにあるものではない。そして、消費者からすると驚くべきことだが、スクールの説明を丁寧懇意にプレゼンテーションした後、すぐに無料体験レッスンを受けることができるスクールもあまり無い。抱えているインストラクターのスケジュールも考慮すると多少は、仕方ない部分もある。
しかし、あえて顧客の立場から言えば、体験レッスンと言うものは「自分の入りたいスクールだったら必ず受けたいもの」だ。
スクールのシステム説明だけでは、絶対にレッスンの雰囲気はつかみ取れるはずが無い。そして、スクールのマーケティング上も明らかに間違った方法なのだ。客が見たいと思っているということは、少なくとも「それがいいものならば入学したい」と思っているということが前提であり、ひいては売上を大きく左右するポイントとなりうる。
○本当に望まれる無料体験レッスンとは?
入会前に初心者レベルの顧客が受けたいと思う体験レッスンの形はおそらくこんなものだろう。留学経験があり、英語を忘れたくがないためにスクールを利用しようと考えているインストラクターのレッスン。こちらは、賛否両論の場合もある。
しかし、初心者からすれば、英語で伝えきれなくて黙ってしまうより、多少日本語を使っても「言葉のキャッチボール」がスムーズに出来るほうが大切、ということになる。
無料体験レッスンはあくまで体験。顧客もまさかたった1回の体験レッスンで英語が伸びるなどとは考えていない。レッスンの体験ではなく、総合的なスクールの体験に来ているのだ。そこで、「恐さ」「恥ずかしさ」を拭い去って、「楽しさ」「伝わる嬉しさ」を感じ取ることができれば、レッスンそのものは多少の日本語が混じっていようが、極端な話雑談に終わろうが問題はない。
それでもレッスン内容に執着するのならネイティブスピーカーであることの武器を活かして発音に着目するといい。当たり前のことだが、「英会話」や「外国語」を習いに行くのだからネイティブスピーカーの正しい発音というのは必須だ。教育論の賛否は別として、発音にこだわりのある生徒というのは非常に多い。彼・彼女らの期待に応えてあげていいのだ。
両方の言葉を理解するインストラクターならば、日本語が混じっていても文法的におかしければ、修正してあげるように教育をすればいい。こういったインストラクターならば、日本語と英語の違いを一番理解しているので、学問的な解釈を与えてあげてもいいのだ。
こういった理由から逆説的に、「人生の半分を外国で過ごしたような帰国子女の体験レッスン」というのは実は価値が高い。日本人によくありがちな、「外国人に対する英語コンプレックス」も柔げることができる。
そして、このように周到に用意され、好感を得ることのできた体験レッスンで、そのスクールに顧客は入会しようと思う。しかし実際には、やはり英語圏の外国人インストラクターが体験レッスンをするケースが多いだろう。その場合に知っておくと便利であるのは、女性は特に「同性を望む」ということだ。
これはただ単に、男性インストラクターだと恐そうとか、話がないというだけではない。やはり女性インストラクターのほうがあたりがやわらかく、優しい雰囲気をもっているからだ。こちらの場合、女性と限定しなくても・・・という声ももちろんあるだろう。確かにそうだ。女性でも荒々しい人もいる。しかし、一般的にはやはり女性のほうがやさしい雰囲気を出していると顧客は感じる。
無料体験レッスンを受ける気で来ている顧客でも、やはり、いざ外国人インストラクターと1対1になると緊張して、知っている単語も出てこないということは多い。そんな感情の変化をすぐにキャッチして敏感に動いてくれるのは女性だ。
○最高の無料体験レッスンとは?
実際には、帰国子女や女性というものにこだわってはいられないだろう。それは百も承知だ。ならばせめて無料体験レッスンに対応してくれるインストラクターには日ごろから心遣いを、スクール側はその教育を徹底したいところだ。
気が利いた、生徒のための体験レッスンを受けた「見込み客」は心安らかに「生徒」になる、とはお考えにならないだろうか。
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