ドナルド・トランプ新大統領の就任式はなんとか無事済んだようです。しかしニュースでは、具体的な政策がなかったことにより、日経平均株価は下がっています。
ところで、トランプ大統領は就任層早々、大統領令を発令し、TPP離脱を表明しました。そして、オバマケアからも撤退も表明しました。その数日前ですが、CNNを偽ニュースと強い口調で応答していたことを考えると、これだけ見る限り本気で国際金融資本に対抗しているように見えるのです。
今後、アメリカの中央銀行である連邦政府準備制度(FRB)を解散させたり、1960年代にケネディ大統領もできなかった政府紙幣発行などを実行することになれば、これは本物だと認めることができます。以下が、トランプ政権の閣僚人事一覧です。
数人はすでにクビになってますが、全体的に閣僚人事を見るとアメリカ大企業の経営者や退役軍人が多くなっています。さらに、よく見るとほとんどがティーパーティーのメンバーなのです。
Wikipediaから、ティーパーティー運動とは、2009年からアメリカ合衆国で始まった保守派のポピュリスト運動である。バラク・オバマ政権の自動車産業や金融機関への救済の反対、さらには景気刺激策や医療保険制度改革(オバマケア)における「大きな政府」路線に対する抗議を中心とする。茶会運動ともいう。オバマ大統領の就任式の直後に始まったことから反オバマ運動としての右派の側面もあり、2010年11月の中間選挙で共和党大躍進の原動力となった。
「ティーパーティー(Tea Party)」という名称は、当時の宗主国イギリスの茶法(課税)に対して反旗を翻した1773年のボストン茶会事件(Boston Tea Party)に由来しており、同時にティーは「もう税金はたくさんだ(Taxed Enough Already)」の頭字語でもある。ただし現代のティーパーティーは、ボストン茶会事件の時と違って、課税反対は象徴的意味しか持たず、実態は、総じて税金の無駄遣いを批判して「小さな政府」を推進しようという運動で、「アメリカ人の中核的価値への回帰」を訴える保守系独立政治勢力である。自身では憲法保守を唱えている。
つまり、ティーパーティーとは、新自由主義者、リバタリアンのことです。国務長官のレックス・ティラーソンもティーパーティーです。ティラーソンは、エクソンモービルの元CEOで、ロシアと北極海油田などを開発していました。そのために、ロシアから勲章を受けたことがあり、ロシア大統領プーチンに近い人物です。
副大統領のマイク・ペンスもティーパーティーであり、CIAのマイク・ポンペオも、労働長官のアンディー・バズダー他、調べるとかなりティーパーティーの人が入閣しています。財務長官に選ばれたスティーブ・ムニューチンは、ロシア系ユダヤ人でゴールドマン・サックス出身です。さらに、カール・アイカーンとはウォーレンバフェットと並ぶ著名投資家ですが、もの申す投資家として知られています。アイカーンはトランプのメンターです。
ここで話を戻してティーパーティーと言えば以下の小説のことを話さなければなりません、それは、「肩をすくめるアトラス」です。アトラス株式会社という社名の由来でもあり、聖書の次に多く読まれているというベストセラー小説です。
ロシア系アメリカ人作家アイン・ランドが書いていることは、簡単に説明すると、要するに、「富を追い求めるののどこが悪い?」「弱肉強食のどこが悪い?」「すべて市場原理にまかせましょう。」「金持ちを縛るのをやめましょう。」「小さな政府を作りましょう。」と、いうことをアピールしています。
経済を牽引する金持ちを、福祉のために税金や規制などで企業を必要以上に縛ると経済が停滞するということで、この小説のあらすじには、「世界の大金持ちが、自分達は世界経済を推し進めるエンジンなのに、常に議会や政府の規制で邪魔をされている。」「たび重なる政府の妨害に、なぜ我々は頑張って世界経済をまわしているのに悪者扱いされなきゃならないんだ?」「努力もなにもせず、福祉に依存する貧乏人達にたかられるのはごめんだ。」と、そう言って呆れ果てた超富裕層たちが、肩をすくめて、コロラド山中に消えていくというお話です。
アトラスとは、ギリシャ神話で、肩で世界を支えていると言われる神様のことですが、アトラスが、天を支えるのを放棄してどこかに隠れてしまったという比喩なのです。このアイン・ランドを信奉する人達が新自由主義者=実力主義者=ティーパーティーということです。
今回のトランプ政権閣僚人事を見ると、商務長官のウィルバー・ロスは、ロスチャイルド銀行に在籍していたり、そしてエクソンモービルやゴールドマン・サックスなど国際金融資本カルテルや軍産複合体政権に見えるのです。しかし、中身はティーパーティーで、新自由主義者=リバタリアンということで、ロシア寄り人脈なのです。
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