ビットコインを持っていない方には関係のない話になりますが、ここに来てまたビットコインの価格が下落しています。
今回の暴落の原因を調べてみると、中国によりビットコインが分裂の危機があるようなのです。確かに昨年の秋頃からビットコインは急激に取引量が増えました。それは世界中の人々が取引するようになったからですが、それによりデータを入れるビットコインのブロックサイズが1MBでは足りなくなってしまったのです。
システム上、足りないのであればサイズを増やせばいいのですが、政治問題によりそれができないということになっています。例えば、データ量を20MBなどに増やすとビットコインを採掘してる人たちが困ることになります。なぜなら、ビットコインを採掘してる人の90%が中国人だからなのです。
皆さんは知らないかも知れませんが、中国のインターネットは当局の規制が非常に厳しく、国内をファイヤーウォールで囲んでいる状態です。中国政府に都合の悪い情報をブロックするインターネット検閲システムがあるのは周知の事実です。2013年の報告によると、中国政府はインターネットユーザーが政治的に都合の悪い情報にアクセスできないよう継続的な取り組みを行っていて、ファイアウォールは以前にも増して強化されているようです。
金盾と呼ばれる中国政府によるインターネット検閲システムは「オンライン上の批判的な発言」「人々を堕落させる不道徳的文化」を狙って監視しており、中華人民共和国憲法に違反したり、中国政府の上層部の批判をするウェブサイトは閉鎖させられてしまうことがあります。
日本では当たり前のように使ってるネットの4大サービスとは、
1. Google
Googleは、中国では完全にはブロックされていませんが、検索に時間がかかりったり、一部の情報がまったく表示されません。Googleの他のサービス(GmailやGoogleマップ等)はすべてブロックされています。中国人は百度(バイドゥ)という検索エンジンを使っています。中国は人口が多いのでバイドゥは世界のシェアもGoogleとYahoo!に続き3番目のユーザーがいます。
2. Facebook
中国ではFacebookは完全にブロックされてます。そのため人人網(レンレンワン)が使われています。Facebookと機能はほとんど同じです。
3. Twitter
中国ではTwitterも完全にブロックされています。中国政府を批判するようなTweetなどできません。そのため微博(ウェイボー)が使われています。
4. YouTube
YouTubeも中国では完全にブロックされています。そのため中国人は优酷(ヨウク)というサイトを使っています。
このように欧米企業のサービスを全く使えない中国では、中国政府徹底した管理・監視システムにより安全を保障されていると言ってもいいかと思うのです。それは、GoogleやTwitter、Facebook、YouTubeなどはCIAなど欧米の情報監視組織が作ったツールだからです。
日本のように簡単に欧米のツールを受け入れる事により、2010年からイスラム圏諸国で発生した前例にない大規模反政府デモを主としたアラブの春やジャスミン革命などのようなクーデターが起きてしまうかもしれないのです。そこで中国政府は、厳しく監視しているということです。
しかし、この当局によるインターネット規制が原因になり、ビットコインのサイズを増やすことができないままになっているのです。日本では光ファイバーによる動画などはスムーズに観ることができますが、中国では規制により大きなデータをインターネット上に流すことができません。そこでビットコインのサイズを20MBにあげると、世界の90%にもなる中国人採掘者の発掘速度が遅くなるというわけです。彼らにしても採掘するのはもちろん儲けるのが目的であり、中国当局に反対しています。
双方の妥協案として、1MBから2MBに増やすという提案が出ているようですが、この案について一部の人たちが反対していることで混乱が続いています。だから今後、ビットコイン自体が分裂してしまう危機が起きる可能性があるのです。
今回の問題は中国の政治や利権が絡んでいることでもあり、私たち日本人が考えるよりも根の深いものです。したがって、現在ビットコインを持っている方は近いうちに売り払うべきです。私自身は数日前に全て売り払いました。やはり仮想通貨というのはまだ黎明期にあるということでこのような混乱は避けては通れないようです。
インターネットが登場した1990年代前半にもこのようなことがありました。ちなみにビットコイン以外の仮想通貨による分裂騒動は過去にも起きたようです。イーサリウムという仮想通貨は、分裂してからすぐに暴落してその後、また急騰しました。今回はビットコインも暴落する可能性がありますので、しばらく様子を視るべきでしょう。
仮想通貨、デジタル通貨、暗号通貨などに関する経済についての英文記事を調べてみると不換紙幣という言葉がたくさん出てきます。不換紙幣とは、実物の金や銀に両替できないものの、政府が法定貨幣であると宣言した通貨のことです。
つまり、アメリカ政府が1971年に金本位制を解除された通貨体制(ブレトン・ウッズ体制の崩壊)の下で、政府が与えた法的な裏付けを基にして、中央銀行の信用創造によって発行された通貨であるということなのです。
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