最近、またビットコインが分裂するという話が囁かれています。実は6月中旬に起きた急激な暴落も、分裂騒ぎによるものだったことが分かりました。世界的には知られていないことですが、ビットコインは取引の目詰まりを起こしているようですビットコインの未確認取引量を掲載したのが以下のサイトです。
未確認取引量とは、ビットコインを送金したにもかかわらず相手に届かなかった、というものです。あるいは、送金確認ができたのに元に戻ってきたというケースも含まれているようです。それらを未確認取引量と呼んでいます。それが、最近増えているわけです。
最近、1日で10万件にもなる日もあり、例えば日本円の場合、銀行振り込みをした時のようにあなたの銀行口座にあった1万円が、相手の口座に1万円が送金される、というような取引台帳を合わせる処理を銀行は責任を持って処理作業しています。
この処理作業は面倒な作業として考えられており、銀行はその代わりに100円ほどの取引手数料を徴収しています。しかし、ビットコインはその処理を一般の方が処理しています。だから報酬として、ビットコインを貰うことができるのです。
これをマイニング(採掘)と呼び、コンピューターを数台を並べて計算処理をする採掘者をマイナーと呼んでいます。ただ最近は、取引量が多くなり過ぎ、その計算処理が追いつかなくなっているようなのです。例えば、VISA CardやMaster Cardなどのカード会社の場合、一日平均、約2500tpsの処理が可能です。paypalはその25分の1の約100tpsの処理が可能になっています。
tpsとは、transaction per secondの略で、一秒間の取引をどのくらいの件数を処理できるかの単位です。そして、ビットコインの処理能力はというとたったの7tpsしかありません。つまり一日に換算すると、
1秒で7回x(60秒x60分x24時間)=604800回となり、1日あたり約60万件の取引処理しかできないことになります。1日あたり60万取引以上になると、その取引は、相手に届くことはなく、戻ってくるというわけです。
ここ数カ月で見ると、急激に日本や全世界で仮想通貨の代表格であるビットコインを購入する人が急激に増え、取引量が激増しています。だから、届かない量が増えているということが分かってます。そして、それを解決するために分ける必要が出ているのです。
ビットコインにかかわらず仮想通貨というのは、データを数珠つなぎにしたブロックチェーンという新技術で構成されています。これを分岐させる方法は2つあります。
一つ目は、ハード・フォークという方法です。ビットコインのブロック(箱)には現在7000ほどの取引データが入っているようです。しかし、現在、容量が1Mしかなく、もっとデータを入れられるようにサイズを大きくするというものです。問題はサイズ変更を余儀なくされることで、今までのブロックチェーンとは互換性がなくなってしまう恐れがあります。
つまり、互換性がなくなると、元のブロックチェーンと別のブロックチェーンができてしまうというわけです。以前、別の仮想通貨であるイーサリウムは、このサイズ変更を行ったことでイーサリウムとイーサリウム・クラシックという2つの通貨に分かれてしまったことがありました。
二つ目は、ソフト・フォークという方法です。これはブロックに入れる取引データのサイズを逆に小さくするというものです。この方法は、簡単な変更で済むこと今までのブロックチェーンと互換性を持つことでこれからも安心して売買することができるようになります。
このあたりの事情を英語サイトなどで調べたところ、最初は、世界中のビットコイン参加者がソフトフォークでほぼ合意していたようですが、最近になり主に中国人のマイナーたちがハードフォークを押しつけて、互いに争っていることが分かりました。
しかし、ビットコインは日銀のような中央管理者がいないことで、なかなか採決ができないようです。そして最悪のケースとしてこのままでは、ハードフォークとソフトフォークに分裂してしまう恐れがあるのです。ちゃうのでは?最近の暴落はこれが原因のようです。
今後、ビットコイン市場は混乱しつつも、そろそろ餡をまとめなくてはならないタイミングが7月31日までになっています。そして、翌日の8月1日から11月15日までに分裂してしまう可能性があることを注視すべきです。
※本コラムは、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。金融商品の売買は購読者ご自身の責任に基づいて慎重に行って下さい。弊社は読者が行った金融商品の売買についていかなる責任も負うものではありません。
|