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仮想通貨と日本のデフォルト(国家債務不履行)について⑦ 「中国とロシアの思惑」

今回は、中国とロシアの思惑について考えてみたいと思います。まず、米国債を世界一保有しているのは中国です。大量に米国債を保有する理由は、経済的・軍事的な理由があります。当然ですが、世界一の経済大国アメリカの国債なので、金銭的な価値ある資産として保有しています。

 

また、大量に国債を保有することにより、有事の抑止力になります。つまり、問題が起こっても戦争に即発展しないという軍事的な抑止力が働いているわけです。中国という国は、共産党という一党独裁でやりたい放題的な政府だということはたくさんの方がご存知の通りです。

 

この中国の通貨は人民元です。政府としては、この人民元の価値を高め、世界に通用する通貨にしたい思惑があります。なぜなら、価値が上がることにより、国民からたくさんの税収を取ることが出来るからです。対欧米諸国や日本などのアジア諸国との取引でも強い通貨は有利になります。

 

中国政府は、その人民元を外国の通貨に替えること、つまり換金には規制をかけています。一方、中国人の富裕層は、自国の支配力の強い人民元を嫌い、外国の通貨に交換して資産を安定保有したいと考えています。政府と民衆で、思想に大きな乖離があります。

 

ところが、中国の富裕層に朗報が流れました。仮想通貨に替えることにより、ドルやユーロに交換することが可能になりました。また、信頼のできない人民元よりも、仮想通貨の方が安全な資産と考えられ、一気に仮想通貨市場に中国マネーが流れ込んできました。

 

当然、このようなことは政府として良いことではないので、あの手この手を使い、次々に仮想通貨取引所に無理難題な要求を突き付けてきます。そのような背景から、何度もビットコイン市場は急落を繰り返します。しかし、仮想通貨市場は時間が経てばまた高騰しています。

 

とうとう中国政府は仮想通貨市場への規制を諦めました。その後、ビットコイン市場は異様な程の高騰を見せました。あれほど仮想通貨に規制をかけた中国政府の手のひらの返しようはなぜでしょうか。

 

一方、ロシアは、国内の石油・ガス企業に大きく依存している国家です。2014年、原油価格は半年間で50%近く下落しルーブルは原油価格を追いかけるように下落しました。プーチン大統領は、ルーブル急落の犯人は投機筋と欧米諸国だと断定した発言をしました。欧米諸国の経済に、翻弄されていることを懸念した発言だといえます。

 

面白いことに、このロシアと中国は共通した動きを取っています。一つは、金(ゴールド)を大量に集めているということです。金(ゴールド)は資産として安定した価値を持ちます。地球上で取れる金(ゴールド)が有限であるため、大きな価値があります。

 

また、紙幣以前の通貨の基準は金(ゴールド)であり、その価値は今も失われてはいません。何かを公的に保証するには、バックに金(ゴールド)と交換できるのが最も信用出来る方法になっています。単刀直入にいうと、中国とロシアの狙いはこの2つです。

 

①脱米ドル化した独立経済の確立
②自国発行の仮想通貨の普及

 

アメリカのデフォルト危機があるのは前にお話ししました。歴史的に、欧米諸国の経済状況に右往左往させられることが多い中国やロシアの経済ですが、今回は自国の経済を安定させ、大きな税収を得たいと強く考えています。米ドルを基軸として成り立つ経済は、中国はロシアには非常に目障りなわけです。

 

自国の資本が外国に流出すれば、税収も減ります。そのような経済から独立して、安定経済を確立したいと思うのは当然のことです。さらに、不安定なルーブルや人民元よりも強くて便利な通貨を政府は欲しています。その通貨こそ「仮想通貨」です。

 

先日、ロシアのプーチン大統領が「イーサリアムに投資する」という報道がありました。そのあとイーサリアムが大きく値上がりしました。しかし冷静に考えてみると、ロシアには数兆の資産を持つ超富裕層がたくさんいます。イーサリアムの市場は高々4兆円規模しかありません。

 

そのような市場の通貨を、大国ロシアの皇帝が買いのわけがありません。プーチン大統領が欲しいのは、「イーサリアム」ではなく「イーサリアムの技術」です。プーチン大統領の目的は、自国発行仮想通貨の制作をイーサリアムに依頼したことです。

 

自国の仮想通貨を発行すれば、徴税権を100%行使できます。しかも無限発行が可能になります。しかし、価値の無い通貨は通貨としての価値を持ちません。そこで登場するのが金(ゴールド)です。自国仮想通貨の価値の安定性と信頼性を保つために、兌換仮想通貨として裏付けとして金(ゴールド)を用意しているのです。

 

事実、この近年で金(ゴールド)の価格は高騰しています。有事の金とも呼ばれますが、今後益々金(ゴールド)の奪い合いは世界的に激化するはずです。

 

ロシアや中国だけでなく、たくさんの国が自国発行の仮想通貨を目指しています。徴税権の100%行使やマネーロンダリングの防止など様々な理由があります。しかし、本格的に政府発行仮想通貨にシフトするためには、世界的な金融メルトダウンによる経済リセットが必要です。

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