メガバンクの一角であるみずほFGと三菱UFJが今後10年程度でそれぞれ国内外1万9000人と1万2000人の人員削減を検討していると報道がありました。同時に2割ほどATMを撤去するというわけです。
これまで銀行というのは、市中から無担保、ゼロ金利で資金を集めて運用するというのがビジネスモデルになっていました。そんな単純なビジネスに6万人も人員が必要ではないわけです。そのような中、新卒を大量に採用してはリストラにする意味が分からなくなっています。
スマートフォンの登場により、高性能なコンピューター端末が自由にどこでも利用できるようになり、金融形態としては間接金融を順次縮小しつつ、各自自己責任を明確にしながらカネのやり取りもモノのやり取り同様に、直接金融(ブロックチェーン)を拡大させる時代に突入しています。
これまで人が集まりやすい場所にATMが設置されていましたが、今後は現金もデジタル化していくことでいよいよATMもNTTの公衆電話のように消滅していくことになりそうです。そうなると、銀行の窓口もATM店舗も不必要となり、手持ちのスマートフォンによりすべての決済が行われるようになります。
こうなると必然的に店舗を管理する人材も不必要になり、店舗自体も不必要となるかもしれません。カネの調達は銀行を通さず、人と人、企業と企業が直接できるようになり、貯金は株や債権、あるいは金地金(ゴールド)で預金することになります。つまり、今後銀行はなくなっていくというわけです。
さて、10月24日に発表された厚生労働白書で、40代を世帯主とする年間所得が300万円未満世帯の割合が増加していることが発表されました。つまり、働き盛りでありながら収入が300万円に満たない人が多くなったことを意味しています。これは30代と50代も同様の結果になっているとのことです。
これで事実上、まともに働いても家族を養えないのが日本という国になった瞬間がついに到来したわけです。結婚をすることができなく、子供もできなく、年老いた親も養うことができない上、マイカーさえ持つこともできません。これではマイホームなども夢のまた夢です。
勉強が得意でなかったのにもかかわらず、無理をして私立大学に進学し、親が学費を払えないために奨学金という名の金融ローンを数十年も支払い続け、私立大学を卒業したとしても、宅配や新聞配達、水商売、介護など低収入な職場しかないというのが現実になっています。
このままでは学費を支払ったローンだけが残り、低所得により生活はますます苦しくなることを示唆しています。そして、消費税増税の追い打ちにより生活難から生存難に追いやられていくわけです。「もう限界、社会をリセットしてもらいたい…」というのがこれが大多数の日本国民の願いではないでしょうか。
1980年代に大学を卒業した世代では、サラリーマンで年収600万円が普通クラスだったと聞きます。年収1000万円程度は多くいたために当時の財界関係者は、日本のさらなる繁栄のためにはグローバル化が不可欠だと考えたわけです。
しかし、そのグローバル政策推進の20年後に大企業が破綻し、国内産業は軒並み中国に移動してしまいました。さらに政府日銀は、物価を引き上げるという理由で、ゼロ金利やマイナス金利を促し、金利の高いアメリカなど外国に資金移動をさせてしまいました。
このように、デフレ経済を政府日銀が推進する以上、デフレの蔓延する国内需要は生まれることもなく、資金はさらに外国に移動しています。これが日本国民の貧困化の原因であって、国民は貧困に苦しみ、その原因は誰の目にも明らかですが、政府日銀はアメリカの命令通りにグローバル化を推進しています。
つまり、今後、ますます日本国民は貧困化していくことが目に見えています。同じ日本人として、このことは本当に痛ましいことです。特に若い人達には申し訳ない気持ちが、本当に40代以上にあるのかないのか、私のせいではないですが、このような社会になったことは残念でならない、というのが私の個人的な気持ちです。
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