インフレ(inflation)とは、その国の通貨(日本の場合は円)が商品(モノ)の値段に対して大きく減価された状態のことを言います。
例えば、コンビニで売られている100円のコーヒーがやがて倍の200円を出さなければ買えなくなるのは、カカオの原価が上昇したからではなく、通貨(円)の持っている購買力が低下したせいです。
つまり、通貨(円)の購買力の低下によって輸入品の価格も見かけ上は上昇することで、商品としての価格も上昇してしまうわけです。この原因は、発行元の日本銀行がこの5年間で紙幣を倍以上も印刷したから、と言うことができます。
このことは会社が毎月支給している給料についても同じで、仮にインフレ下で名目の給料は倍増しても、商品(モノ)価格も上昇していることで、それで買うことができるモノは同じになります。
要するに、日銀の金融政策というのは、この錯覚を利用して通貨(円)を使って日々、生活している日本国民に刺激を与え、より多くを消費させることによって景気浮揚を促す詐欺的政策でしかなかったということです。
人々は、学校教育やマスメディアによる間違った経済学を植え付けられているため、この金融詐欺に生涯、気が付くことがないようです。さらに、経済学者の多くは中央銀行システムを通して人々から富を収奪しているグローバルな金融エリートの犯罪を見逃す役割を知らないうちに演じされられているといるように思います。
そして、その金(ゴールド)の持つ不変的な価値について知っているのはグローバルな金融エリートだけです。欧米の金融エリートたちは貨幣経済学という偽物の学問を発明し、見事に大学教育の中に取り込ませることに成功しました。さらに、様々な学会や学派に資金援助を行うことで、世界的に経済学者たちを互いに対立させることによって、経済学者たちが通貨の真理を探究しているように見せかけてきました。
このように、グローバルな金融エリートは中央銀行システムという詐欺的制度を長らく温存させてきたことは誰も否定できない歴史的事実ですが、不思議なことにテレビの報道番組に出演しているキャスターや評論家たちは「対ドル・円が上昇した」とか「下落した」などしか言いません。
つまり、金(ゴールド)と、その国の通貨との為替を問題にする経済学者など一人もいないわけです。彼らでさえ、金(ゴールド)の価格が上がると、「金(ゴールド)が価格が上昇した」という言い方をしています。
さて、今、起きている本当のことは、地球の限られた希少金属である金(ゴールド)の価値こそが不変なのであって、紙とインクと輪転機がある限り、無制限に印刷できる通貨(円)こそが、日々、大きく価値が変動している不換紙幣ということです。
大きく言ってしまえば、金(ゴールド)の価値は、地球が裏付けているわけです。したがって、本当は紙幣こそが最も危険な資産であり、実は持っていればいるほど限りなく購買力がゼロに減価していくような消えていく通貨だということです。
ここまで言えば、誰でも分かると思いますが、そもそも金(ゴールド)と紙幣、あるいはビットコインのような仮想通貨の間に決定的な違いがあります。それは、正貨(正しい通貨)であるかどうかです。
金(ゴールド)の時価を決めるのは、日本の場合は通貨(円)です。現在のところ、米ドル建て金(ゴールド)価格、円建て金(ゴールド)価格、英ポンド建て金(ゴールド)価格というように、それぞれの国の通貨の為替を反映しています。
例えば、円に対して金(ゴールド)の価格が上昇した時、それは、金(ゴールド)の価格が上昇したのではなく、円の価値(購買力)が大きく低下した時です。つまり、これがインフレの正体ということなのです。
その証拠に、金(ゴールド)は正貨なので金利がつかず、今でも投資の対象になっていません。金(ゴールド)は、第二次世界大戦終了1ヵ月前に1945年に発効したブレトンウッズ体制崩壊以後は、商品(モノ)に対する絶対的な価値の保存先として、市場に流通させるよりは、経済崩壊や世界大戦が勃発するというような一朝有事に備えて隠匿されるから価値が見直されています。
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