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世界中で米ドル基軸通貨体制の放棄が起こり、金融危機となる可能性②「加速する米国債売り」

さて、世界中からアメリカに還流した米ドルによって米国債が買われ、国家予算が補填される現在のシステムで、アメリカが世界各国に25%もの関税を導入し、保護貿易を実施すればどうなるのでしょうか?

 

その結果は、詳しく説明するまでもなく、適用される関税の規模にもよりますが、適用される分野が大きくなればなるほどアメリカ国内に還流する米ドルは大きく減少するので、米国債による債務(借金)の補填もうまくゆかなくなるはずです。

 

つまり、米国債は市場で売れ残るために下落し、その結果、金利は上昇することになります。この動きはまだ本格化していないものの、すでにその兆候ははっきりと出てきています。米国債の下落を見越した各国による米国債売りの加速がすでに起きているというわけです。

 

例えば、6月に発表された4月の米国債の状況を示すアメリカ財務省の報告書を見ると、ロシアは保有する950億ドルの米国債の約半分である470億ドルをすでに売ったことが明らかとなっています。

 

一方、日本は120億ドル、中国は70億ドル、そしてアイルランドは170億ドル相当の米国債をすでに手放していることが分かっています。日本、中国ともに約1兆2000億ドルほどの米国債を保有しているので、この数字はたいしたことがないように見えるかもしれません。

 

しかし、毎年保有額を増やしてきた日本と中国にとっては、売った規模が大きいことでかなりの収益になっています。これと連動し、米国債の金利はじわりじわりと上昇しています。この背後には、トランプ政権が発動した連鎖的な保護貿易による米国債の下落懸念があるのではないかと見られています。

 

そして、このような米国債売りの加速が起こっているタイミングに注目すると、この問題の深刻度が分かってきます。それは、アメリカの債務(借金)が急速に増大し、債務の補填がもっとも必要にな時に起こっているということです。

 

まず、債務増大の原因の一つとして、昨年12月に成立した法人税の大幅減額案があります。これは法人税を35%から21%に減額するというものです。法人税の減額で投資が活発となり、景気がさらに上向くので最終的には税収が増えるとするものですが、そのようになる保証はないと見られています。専門家の間では、アメリカは今後10年間で税収は1兆ドルほど減少すると見ています。

 

さらに、状況を悪化させているのが、トランプ政権が実施しているトランポノミクスという経済政策です。2017年1月の大統領就任時から、トランプ政権は兵器やインフラを中心に大規模な公共投資を行っています。これはトランポノミックスと呼ばれていますが、この政策を当てにした投資が活発化したため、高株価の状態が続いています。

 

しかし、税収が減少している時にこうした財政出動を実施しているため、政府債務(借金)は急速に増大しています。昨年2017年会計年度では5190億ドルの政府債務は、今年2018年会計年度では9550億ドルと約2倍にまで増えています。

 

このままのペースで増えていくと、来年2019年度と再来年2020年度には確実に1兆ドルに達することになります。そして、このまま状況が変わらなければ、10年後の2028年には35兆ドルにまで膨れ上がる計算になります。

 

問題は、このような関税を25%も上げるような保護貿易が継続すると、アメリカに還流する米ドルが大幅に減少するので、政府債務(借金)を補填するための米国債に支障が出てくるということです。要するに、米国債が売れなくなるということですが、保護関税政策を続けると、こうしたリスクが大きくなることは間違いないと思われます。

 

米国債が売れなくなるとその市場価格は下落することになります。すると、長期金利はすぐに上昇していくことで、これが世界中に大きな影響を与えていくことは間違いありません。

 

現在、アメリカの景気はおおむね良好とマスメディアでは報道されていますが、その背景となっているのはFRB(米国連銀)が2008年から長期間続けてきたゼロ金利政策を含む、量的金融緩和政策です。その結果、限りなくゼロに近い金利のローンに依存してなんとか生き残っているいわゆるゾンビ企業がかなり存在しているわけです。

 

米国債が下落して金利が上昇すると、こうしたゾンビのようにすでに債務超過に陥っているアメリカの企業は破綻の危機にさらされることになります。この状況は、長期金利の上昇でただでさえ減速するアメリカ経済をさらに悪化させることになります。

 

アメリカ経済のこのような状況は、まずは7月後半頃から株価に大きく影響することは避けられなくなり、アメリカ経済の減速が背景となり、現在の高株価の状態は終わるものと考えられます。

 

しかも、それだけではなく、海外からアメリカに還流するドルは米国債だけではなく、株式や社債、そして不動産などアメリカ国内で売られているあらゆるものに投資されています。現在のニューヨーク・ダウ平均株価が高い背景には、海外から還流する米ドルによる投資があるからです。

 

そのような状況の中、トランプ政権による保護貿易の実施による米ドルの還流の減少は、アメリカ国内の金融市場の大きな下落と不動産市場の暴落の引き金となり、下落の規模によっては、リーマン・ショックを上回る金融危機を誘発する可能性もあるということです。

 

現在は好調だとされているアメリカ経済も、保護関税の連鎖による貿易戦争が長引くと、金融危機を伴う危機的な状況に陥る可能性は否定できません。こうした状況を反映して、これから不安定になる米ドルを使用せずに、違う通貨を国際決済に使う動きが加速しています。

 

すでにこの傾向は、中国の一帯一路と中ロ同盟で発展するユーラシア経済圏の拡大に伴って、米ドルではなく人民元での決済が次第に増加しているようです。しかし、保護関税の連鎖による貿易戦争の拡大と、それによる将来的な米ドル不安が背景となり、米ドル離れの傾向は一層加速しています。

 

先月、中国とロシアは、相互の貿易の決済に米ドルではなく両国の通貨を使う協定を結びました。数年前まではロシア企業による人民元の決済の割合は2~9%程度でしたが、今では15%にまでなっています。また昨年、中国政府は人民元とルーブルを使う決済システムを立ち上げています。

 

これから、人民元とルーブルが使われる範囲は拡大し、基軸通貨として米ドルが使用されない流れは加速する方向にあり、この傾向は、ユーラシア経済圏のみならず他の経済圏でも拡大しています。これが貿易戦争の背後で静かに進んでいる事態ということです。

 

要するに、アメリカ国内に還流する米ドルの減少に伴い、米国債の下落、株や社債の暴落、極端な高金利、企業破綻の激増、不動産市場の大幅下落などが背景となり、新たな金融危機発生の引き金を引くというシナリオとなっているわけです。

 

関税の連鎖による貿易戦争は、始まったばかりであって、25%程度の関税が適用される分野はまだ限定的です。その意味では、アメリカや日本の好景気を見て先行きを楽観視することもできるかもしれません。しかし、貿易戦争が長引けば長引くほど、金融危機に陥る危険性は高まることは間違いないでしょう。

 

最後に、リーマンショック並の金融危機が再びいつやってくるかは分からないものの、それに向かう最初のスイッチが押された状態なのは確かだということです。

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