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シリアの首都ダマスカス郊外にある東グータ地区は、シリア内戦の早い段階からアルカイダ傘下のイスラムテロ組織の支配地でした。彼らはアメリカやサウジアラビアからの支援を受け、アサド政権がいるダマスカスの市街地に向けて無差別な砲撃を続けてきました。
この地区で最近、ロシア軍に支援されたシリア政府軍が、アルカイダと激しい戦いを続けていますが、アメリカやイギリス、フランスの政府代表やマスメディアは「シリア政府軍とロシア軍が無実の市民を空爆し、国連機関などによる人道支援物資の搬入も阻止している。これは人道上の犯罪」と非難しています。しかし、これらの非難はフェイクニュースだと言えます。
ロシアがシリア政府軍を加勢するために2016年頃から参戦するとIS（イスラム国）やアルカイダが次々に負けて支配地が縮小していきました。そして、ヨルダン国境地帯に退却し、国境地帯には難民キャンプがあり、ISやアルカイダ兵士はそこで米軍に支援されて形勢を立て直し、東グータ地区の戦線に転戦したというわけです。
このように、米軍による支援体制があるために東グータのテロ組織は強く、シリア政府軍は首都のすぐ脇にあるこの地域をなかなか奪還できませんでした。アルカイダはダマスカス市街地を砲撃し続け、シリア政府軍はアルカイダの拠点を空爆・砲撃する戦闘が続いてきました。
アルカイダは東グータの病院や住宅街に立てこもってそこから政府軍を攻撃し、政府軍が病院や住宅街を攻撃すると、アルカイダの意を受けた地元の人道団体（白ヘルメット）が「シリア政府軍が病院や住宅街を攻撃して無実の市民を大量殺害した」と喧伝し、欧米のマスメディアがこれを鵜呑みにして、シリア政府だけが悪いと報道したわけです。さらに、国連はあろうことかシリア非難決議を出しました。
実際には、白ヘルメット（シリア民間防衛隊）こそアルカイダ傘下だということがわかっていますが、「内戦下でアサドの政府軍に攻撃された人々を救援する勇敢な正義の味方の地元市民の団体」であると報道され、欧米諸国や日本に住む善良ぶりたい間抜けな人々が献金されているようです。彼らはマスメディアのフェイクニュースに騙され、ISやアルカイダなどのテロ組織に献金していることになります。
また、政府軍の戦闘機が東グータでアルカイダの支配地域を空爆した直後、地元の白いヘルメット（アルカイダ系の自称人道団体）があらかじめ用意してあった化学兵器の物質（塩素やサリン）をその地域に散布し、住民に被害が出る状況を作った上で、被害を受けた住民の動画を撮影してインターネットに流し、「政府軍が化学兵器を使った」と欧米のマスメディアがまたも鵜呑みにしています。こうしたフェイクニュースは、東グータだけでなく、内戦下のシリア全土で何度も行われてきました。
2013年8月にも東グータ地区で化学兵器が使われ、地元住民が死傷しましたが、当時のオバマ大統領は、米軍による空爆をやめる代わりにアサド政権と親しいロシアに問題解決を頼みました。ここからロシア軍は本気でISとアルカイダを空爆し、アサド政府軍を助けました。
オバマからシリア内戦の解決を頼まれたロシアのプーチン大統領は、テロ組織を空爆するだけでなく、シリア政府軍が持っていた化学兵器をアメリカや国連も誘い、アサドに化学兵器全廃を了承させ、廃棄作業を完了させたため、2014年以降、シリア政府は化学兵器を保有していないわけです。しかし、アサド政権が化学兵器を全廃したことは無視されています。
最近では、「北朝鮮がシリア政府に化学兵器製造用の資材を中国企業経由で輸出していた」という報告書さえ国連に提出されています。しかし、現実を見るとシリア政府はアメリカなどが疑う化学兵器使用の濡れ衣から逃れるために保有する化学兵器をすべて廃棄しており、その後再び化学兵器を作る政治的な利得がまったくないと思います。
北朝鮮がシリアに化学兵器用の資材を中国経由で輸出していたという話は、北朝鮮やシリア、中国というアメリカの政治的な敵に濡れ衣を着せるための捏造ではないでしょうか？
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