ブロックチェーンで先進的な取り組みを行っているのは、中国最大手のオンラインショッピングプラットフォームのアリババです。
アリババが展開するプラットフォームには、アマゾンのような海外の輸入製品に特化した越境オンラインショップであるTモール・グローバルがあります。ここではブロックチェーンを活用して製品の流通経路を把握するシステムを導入しています。
例えば、どの地域で生産され、どのような経路で輸入され、本当に消費者の手元まで届いたのかを改ざんできない電子記録に明示することによって偽物が排除できるため、販売した商品の信頼を高めることができるというわけです。
さらに、アリババでは健康管理と医療サービスを提供するアリヘルスというプラットフォームでもブロックチェーンを活用していて、既存の診療所で人々の健康診断を実施しています。例えば、AI(人工知能)によって大型病院での再検査や治療が必要と判断された場合、そのデータはブロックチェーンによって改ざんできない情報に加工され、大型病院、診療所、そして政府衛生部門との間で共有される仕組みになっています。
また、アリババの関連企業である金融企業アントフィナンシャル・グループでは、慈善活動に寄付された金の流れを透明化する手段として、ブロックチェーンを用いています。特に、中国では慈善活動に関して疑心暗鬼を抱く人が多く、寄付金が本当に助けを求めている人のところに届いているのだろうかという疑念があるようです。
アントフィナンシャル・グループの新しいプロジェクトでは、寄付金の受付や移動の記録をブロックチェーンで記帳し、透明化を行っています。
このように中国では、世界に先駆けてブロックチェーン技術の様々な分野への応用が始まっていることがわかります。これから中国では、ソーラー発電の送電システムや電気自動車の充電システム、住民票などありとあらゆる分野に適用され、世界に先駆けてブロックチェーン革命が起こるかもしれません。
中国は、将来的にブロックチェーン技術分野で世界をリードする存在になる可能性があり、より処理の速度が速く効率的なブロックチェーン技術の開発も進んでいます。しかし、ブロックチェーン技術はまだまだ黎明期にあるため、ロシアやアメリカでも開発は急ピッチで進めています。
そうした中、注目を集めつつある新しいブロックチェーンの技術とそれが生成する仮想通貨が登場したということでしょう。
中国では、経済的に豊かになった現在でもブランド品など偽のコピー商品が大量に出回っています。そのような状況で、ブロックチェーンを活用して製品が本物であるのか偽物であるのか判定するためのプラットフォームを提供する企業がついに現れました。
見極める方法としては、本物の製品には独自に開発されたNFCチップを埋め込み、正規品の証明とするというものです。正規品をブロックチェーンで分散台帳に書き込むとデータの改ざんは実質的に不可能になるため、信頼できる正規品の認証となるというわけです。
マイクロソフトなどの巨大企業が後押ししていることで、このようなブロックチェーン技術は世界的なスタンダードになる可能性があります。2018年にこれまでのアップデートを終え、プラットフォームを完成させる予定です。
このブロックチェーンで生成される仮想通貨はVENというコインですが、市場では700円程度とまだまだ安く、将来的に値上がりする可能性もあると考えられています。
一方、プログラムの自動実行機能であるスマート・コントラクトを装備した仮想通貨イーサリアムのブロックチェーンがあらゆる分野で使われているため、これからもイーサリアムが拡大することは間違いないはずです。
しかし、イーサリアムのブロックチェーンに欠陥があるなら、例えば、スマート・コントラクトのブロックチェーンは処理速度が遅く、安全性にも問題があるでしょう。そのため、ハッキングによって通貨が盗まれる可能性を完全に防ぐことは現在のところは不可能と言われています。
ここでAI(人工知能)とブロックチェーンを融合することで、イーサリアムのブロックチェーンが抱えているすべての問題の解決を図るプロジェクトが登場しています。この人工知能を組み込んだブロックチェーンは、インテリジェント・コントラクトと呼ばれています。
ここで生成される仮想通貨はMANというコインですが、すでに市場で販売されていて取引所などで買うことができるようです。現在の価格は60円程度とまだまだ安く、今から保有しても遅くないと思われます。
最後に、イーサリアムのブロックチェーン上で書き込まれたデータを検索することのできる、分散型の検索エンジンというものが登場しました。ブロックチェーンのグーグル、つまりポータルサイトのようなイメージですが、グーグルがブロックチェーン分野に進出することになれば間違いなく吸収される可能性があります。しかし、それまではここがブロックチェーンで機能する唯一の検索エンジンと言えます。
開発チームには、グーグルやアリババ出身の検索エンジンのエンジニアが中心となっていて、ライバルがいないということで注目度が高くなっています。生成される仮想通貨はNASというコインで、すでに市場で取引されています。現在、900円前後とまだまだ買いやすい価格ではあります。
このように中国には、最新ブロックチェーン技術の開発プロジェクトが多いことが分かりましたが、海外の仮想通貨専門の投資サイトなどではそうしたプロジェクトの仮想通貨はまだまだ過小評価されています。
すでにどのプロジェクトもICO自体は終了していますが、コインは市場で買えることができます。しかし、これらのプロジェクトのブロックチェーン技術がもっと知られるようになると、価格は上昇するのは間違いないと思います。
|