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セカンド・パートナー、機能別彼氏など人間は同時期に複数の異性を愛せるのでしょうか？そんな複数の異性と同時期に愛する恋愛の形を社会学の分野では「ポリアモリー」といいます。ポリアモリーとは、交際相手をひとりに限定せず、自らが愛し、愛してくれる複数の異性と同時に交際、その交際相手の異性すべてが、ほかの異性の存在を知っており、それを認めているという多夫多妻制に通じるこの恋愛形態のことです。
そんなポリアモリー的な恋愛を実践している20代～40代の日本人女性たちですが、そんな彼女たちの声を迫ってみました。
「もともと彼と私は、大学時代の仲良し後輩女性の3人で飲みに行ったりカラオケしたりして楽しく遊んでいたんです。やがて私たちはお互いに好意を持っていることがわかりました。それで話し合いの末、彼を、わたしと彼女でシェアすることにしたんです。お互いの存在を知っているのでトラブルの起こりようもありません。」
こう彼氏をシェアするようになった経緯を明かすのはアユミさん（28）です。東京の私大大学のEES英語研究会出身で大手企業の出先機関に勤務しています。現在は得意の英語力を生かして活躍しています。私生活ではバツイチでひとりの小学生の男の子の母親でもああります。
「フルタイムで仕事を持つシングルマザーなので、恋愛となるとどうしても精神的、時間的制約もあり彼とじっくり向き合えないところがあります。でも信頼できる後輩女性と彼をシェアしているので、彼との関係では、わたしの足りないところは後輩女性がケアしてくれています。もちろん後輩女性の彼女の足りないところはわたしがサポートします。とても心地いい関係です。」（アユミさん）
1対1の交際では相手の短所、足りないところをひとりで背負わなければなりません。だがポリアモリー的な交際では、それも他の交際女性と相談し、共有することで、精神的負担が軽くなるメリットがあるといいます。
「彼、時々、怒ることがあるんです。最初、わたしに至らないところがあるからかなと思っていたのですが、シェアしている後輩女性の彼女に聞いてみると、どうやら彼女相手にも癇癪を起こしているみたいで。それを聞いたとき、『わたしだけではなかったんだ』と安心できました」（アユミさん）
2人の女性からの愛を受け、1人で2人の女性に愛を与えるシェア彼氏は今どきの男性側にとってもメリットが大きいようです。
「信頼できる2人の女性から、いろいろ親身になって自分をみてくれるので男としてどう女性と向き合えばいいのか。それをじっくり考えさせてくれます。」（アユミさんと後輩女性のシェア彼氏男性）
ノリコさんたち3人の取り決めで、もしどちらかの女性と1対1での交際を望む場合、再度、話し合いの機会を設けどちらかに決めることにしているといいます。ただし、現状ではシェア彼氏を介した女性2人との交際関係が崩れることはなさそうです。
「1対1の恋愛だと、彼氏にまつわる不満を誰かに相談しても、しょせん、ひとごと”でしかありません。でも、この形態だと女性2人でひとりの男性を磨いているという感覚です。精神的にも非常に楽なんです。この楽さは何物にも代えられません。」（アユミさんと彼氏をシェアする女性）
こうしたシェア彼氏が増えた背景には、都市部に住むキャリア志向のオーバー30代女性や比較的、仕事において精神的な限界のハードルが低い20代女性の多忙さが背景にありそうです。日頃の激務からとても男性と出会う機会がなく、シングルマザーとして子育てもあります。恋愛を楽しみたいが苦労はしたくないので、そこで友人女性同士、複数の女性が、好意を持つ男性ひとりとの交際、つまりグループ交際の発展系が、このシェア彼氏といえます。
「わたし以外の交際相手女性は、ライバルではなくわたし自身のカウンセラーです。それは相手女性からみればわたしも同じです。男性との深い絆と女性同士の固い結びつきも得られます。1対1の恋愛ではとても得ることはできないものです。」（アユミさん）
ワークシェアリング、シェアハウス、カーシェアなど、世間では、ひとりですべてを負担するよりも、シェアにより負担を分かち合う流れが当たり前のものとなりつつあります。この独身者同士による複数女性とひとりの男性の組み合わせもまた当然の結果なのかもしれません。
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