10月12日午後、都内で発生した大規模な停電を受けて、東京電力は午後7時半ごろから記者会見を開き、「お客様をはじめ広く社会の皆様に大変なご不便、ご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます」と謝罪しました。今回の大規模な停電による経済的な損失への対応について、東京電力は記者会見で、「被害の状況について多数の問い合わせがあり、どのような損害があったのか、まずは話を聞くことしか出来ない」と述べました。そのうえで、停電の原因によっては賠償などの対応を検討するのかと問われたのに対し、「原因についてはなんとも言える状況ではない」と述べ、明言を避けました。
今回の東京大停電が、自然発生災害か、それともテロかという問題については今のところまだわからないと言うしかありません。しかし、テロであるかないかは別にして、実際に起こったという事実に着目すべきです。災害や事故、事件は将来の我々に危険を知らせてくれる場合が多いからです。
地震雲などは、その良い一例になると思います。全て偶然だと思っているのは人間だけでしょう。動物は、数時間も前に、センサーで天変地異を察知して逃げる事は有名な話です。危機管理能力の欠如は、時として、人の生命までも奪ってしまいます。
昨年末にウクライナにおけるサイバー攻撃によって、数時間に渡る停電が発生したというニュースを思い出しました。過去、サイバー攻撃が原因と思われる停電は他国でも発生していましたが、政府が公式に発表したものとしては世界初の事例と言われています。
実は、本攻撃に用いられたマルウェアを解析したKnownSec社のレポートによれば、攻撃に使われたマルウェアの中に、目的不明な日本語の文字列が含まれていたということです。なぜウクライナへの攻撃に日本語が含まれているのかはわかりませんし、使いまわしたツールにたまたま含まれていたということも考えられるので、「日本も標的」などという早計をすべきではありませんが、今回の事件は、日本には関係ないなどという甘い認識はすぐに捨てたほうが良いように思える痕跡です。
都市型大停電は、送電施設などへの物理的攻撃だけではなく、サイバー攻撃もありますので、これを完全に防御するのは、事実上、不可能でしょう。都市型大停電を起こそうと思えば、たった数人の特殊工作員によって簡単に出来てしまうので恐ろしいのです。どこを破壊すれば首都機能を麻痺させられるかというのは、軍事のプロなら、簡単に見極めがつくのは明らかです。
都市型大停電は、幾つもの軍事作戦の中の一つに過ぎないという認識が必要です。大都市の混乱をより増幅する目的の為に使われる可能性が高いです。自然災害テロor偽旗テロ事件→どさくさ紛れに経済テロ事件勃発。
この中の、経済テロ事件勃発の前後にやられる可能性を指摘しておきます。誰も、緊急にお金を引き出せなくなります。大都市の市民が、混乱して右往左往して街をさまよう姿が目に浮かぶようです。今から起こり得ることが、全て計画通りであるならば、その全貌の概略を前もって知っておくことが極めて重要なポイントです。
そのためには、時として、にわか軍事専門家になることも必要です。多くの人が、今はピンと来ないかもしれません。しかし、時間の経過とともに極めて重要性が増してくると、はっきり言いたいと思います。真剣に関心を持つ人は、最悪の窮地からは逃れられるはずです。その全貌をある程度、理解するという本当の意味は、つまり、問題は、それがいつかという事だけです。
軍事作戦は、もうほぼ決定していると思っていたほうが無難です。漠然としていると感じられる人もいるでしょうが、一つだけはっきり言えることは、その時になって慌ても遅いという事です。あまり人気が出そうもないこういった地味なコラムを書いているのも、将来的に、極めて大きな意味があると確信しているからです。
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