2017年もすでに3週間が過ぎ、ふと思ったことを書いていきたいと思います。それは、「よく考える」ということです。要するに、「物事を決められない時でも、どうやって決めるか」を考えるということです。
現在、日本の経済の最前線にあって、グローバル化が進み、語学や英語力が必要不可欠となった企業経営のリーダーと話したり、日本に来る外国人と話していると、つくづく思うことがあります。それは、
「日本を悪くしているのは、よく考え、決める、ということが出来ていないこと」です。
多くの日本人が印象論だけが横行していて、よく考えるということが出来ていないようなのです。しかも「失敗している理由」ばかりを考えていることから、リスクを一切取ることをしません。では、なぜそれで大丈夫なのかというと、日本の企業にはまだまだ内部留保がある程度残っているからです。1970年代をピークとした高度経済成長期の蓄えがまだある。ただそれだけのことなのです。
時代は高度に知的な創造しか労働とは認められない社会になりました。しかも、太陽活動の異変が日本を含む北半球では寒冷化を招いており、それが原因で免疫力の低下、そしてグローバル経済のデフレ縮小化が引き起こされています。そのため、「昨日と同じことをやったらば給料がもらえる」ということはもうなくなりました。
なぜなら、デフレ縮小化の中で表面的には悪性のインフレが先行して始まっているため、要するに「昨日と同じことは陳腐化し、実質的に価格が安くなる」という現象が続いているからです。経団連に言われたから多少賃上げするといった小手先のレベルで何とかなるということはもうありません。
だからこそ、大切なのは「よく考える」ということなのです。ところが、これがたいていの日本人はしないし、出来ません。ここが問題なのです。よく観察してみると、「考えることを、考えられる人に任せてしまっている」という実態があることがわかります。
「この社長が、あるいは上司が素晴らしいから、だからついて行っている」と自分に言い聞かせ、また周りにも言ってしまっています。しかし本当にそうなのでしょうか?それは、単に「考えることを社長や上司に任せているだけで、自分は考えない、という意味でタダ乗りをしているだけ」ということなのです。
ここで「よく考えてみましょう!」
そして選択肢をきっちりと見える化し、それを比較する中で最後は決めましょう。逆に言えば、ただそれだけのことです。とりあえず重要なのは、「これまでうまく行っていたパターン」を要素別に分解して、見える化することです。出来るビジネスパーソンは、こうして「これが勝ちパターン」というものを見える化し、かつそれをよくよく同僚・下僚・上司・組織に刷り込むことでパフォーマンスを上げています。それがマネジメントなのです。
ところが「出来ないビジネスパーソン」はどうかというと、こうなのです。
「勝ちパターン」が自分で把握できていません。何となくうまくいっている、という状態なので必ず同じ過ちを繰り返します。さらに、「勝ちパターン」を認識出来ていても、これを見える化出来ていないため、「結果」だけを声高に語り、「プロセスの最適化」をしないので、いつまでたっても他人とシェア出来ません。
その結果、「お前がしないのなら、俺・私がやる」ということになり、常に社長や上司が独りで仕事をすることになります。もちろん独りでは限界があるのでパフォーマンスは頭打ちになるわけです。「こうなってしまっているのは上司・部下のせい」と挙句の果てには他人に責任を求めるようになります。自分のやり方に問題があるとは思えないのです。
最後の最後には「だったらもういいや」ということになり、転職します。また一からやり直すことになります。表面的には出来るビジネスパーソンのように見えるので転職は出来るものの、同じことの繰り返しをしているだけです。このタイプが日本人の大半ですが、結果としてよく考えていなようなのです。
「勝ちパターン」を徹底して見える化するとは要するに「よく考える」ことに他なりません。そしてそこに知的創造の源泉があるのですが、しかしそれをやりません。だからこそ付加価値の生産も出来ず、決めることも出来ないのです。
こうなると悪循環に陥ります。企業の大小を問わず、このことが出来ている方は創業経営者であり、アントレプレナーとなっています。これに対してそうではない方の大半はこのことが出来ず、それが出来る方々にぶら下がっているだけなのです。日本経済の実体とはだたそれだけのことです。そのことを早く分かった方がいいでしょう。
もう時間がありません。日本に残されているのは残り1年半もないのです。2018年のどこかで実質的な「デフォルト(国家債務不履行)」という決定的な瞬間までに果たして変わることが出来るかどうかです。
「よく考え」、「決める」ことが出来る日本人が果たして何人生まれるのかどうかです。Atlasマンツーマン英会話ではそうした取り組みを行う企業様や会員様を支援しています。これからさらに、駆け足でこの重大事に取り組んで行きたいと思います。呆けていてはいけないのです。
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