突然、札幌・横浜・名古屋・大阪の中心地の映像が一面に広がりその光景が色つきで見えてくる気がしました。先日も、東京が拠点の貸しビル会社からFAXやメール、電話などで「テナント借りませんか?」と勧誘があり、他の用事もこなしたついでに新宿と渋谷に行きました。相変わらずの高層ビルが立ち並ぶ世界最大の大都市だけあって車窓から見える英会話スクールの数に驚きました。
小さなスペースの雑居ビルにこれでもかというほどの看板が軒を連ねている光景がそこに広がっています。この大都市の雑居ビルには大小多くの会社が入居していますが、狭くて古い物理的な貧しさを兼ね揃えた箱型テナントに大金を払うのはいい取引ではないことはすぐに判断できます。それにこぞって大手英会話スクールが契約し、1週間後にはオープンするというのですからどうかしているとしか思いません。
その数十件のテナント見学で契約しないかと営業マンがしきりに勧めてくるのですが、その営業スタイルが画一的でテナントの使い方も一方的なルールなのです。このうちの多くのビルオーナーは中国人ということもあり、代理人として管理会社の日本人マネージャーと話をすることになります。とにかく日本中のテナントビルを見て、会員制語学スクールにおけるそのテナントの価値、契約方法、使い方の交渉を見よう見まねで学んだものです。
では、東京の街に出てみようと、近辺の明るい繁華街の飲み屋、飲食店は人で一杯でした。10メートル間隔でファーストフードや居酒屋、バーなどが並んでいます。東京は完璧といえるほど治安がいいことがわかります。午前1時、若い女性が2人で笑いながら、楽しそうに街を歩いています。大都市に行くと女性の表情が治安や経済を語ってくれるのです。
この若い女性たちの表情が語る現実は、経済が安泰である限りテナントは安泰だろうということです。しかし、朗らかで、自由な気配ですが、いつ経済不安が起こるかわからない日本の中枢の姿が見えました。東京の新宿・渋谷では多くの情報を与えてくれました。その後15年が経ち、本格的なデフレの時代に突入し、東京は不動産価格の上昇によりすごい金額の投資が世界中から集まっています。
東京とは、札幌、仙台、新潟、横浜にある東日本にある各支店のいわば拠点となる場所です。さらに、大企業であれば名古屋、大阪、福岡…と西に向かって規模を展開しています。埼玉や千葉、京都、神戸にあるテナントも見学しましたが、ほとんどの大企業は東京か大阪のいずれかで資金調達をしています。
東京の新規生徒数の見込み客数は大阪の約5倍以上あります。その大阪では名古屋の約3倍以上。その名古屋では、札幌の約2倍です。札幌は札幌だけの市場でも一人前ですが、ならば札幌とほぼ互角の福岡ではどうなのでしょうか。
2005年当時、最大手NOVAのテナント開発の部署に10年間勤務し、約300校を新規開校させた専門家に相談すると、東京23区内でのテナントなら賃料が高くても、新規生徒数の見込み客数は多いだろうと言います。生徒数(会員数)をどのくらい持つかがビジネスの価値と言うのです。新規生徒数の見込み客数でテナントの価値を決めるわけではないのです。
つまり、2007年のNOVA倒産以来、英会話スクールの価値は専門家がいないことから大手では、新しい高層ビルに入居することしかないようです。1990年代後半から業界第1位のNOVAと第2位ジオスの火の出るような熾烈な全国展開により2007年まで英会話スクールで英語のレッスンのを受ける日本人は急激に増加しました。しかし、両スクールが破綻した後、残された英会話スクールはまたゼロからスタートすることになり、10年が過ぎようとしています。
Atlasマンツーマン英会話では専門家と十分に相談して札幌、横浜、名古屋、大阪各地のテナントを決め、2004年に全国展開をスタートさせました。その後、2008年のリーマンショック前後で多くの英会話スクールが閉鎖しました。その頃、Atlasではなんと前年比の3倍の新規生徒数を獲得するようになりました。予測通り、業界1位と2位の倒産がAtlasのような会員制語学スクールの生徒数上昇に転じ、基本的な理論は確認されたのです。
そしてこの会員数も2万人を超え、あまりにも増えすぎたAtlasの生徒数は次の時代の主役を待っているところです。東京で見た多数のテナントビルにより、地方都市の価値も動いています。「そうだ、地方都市にさらに展開しよう。地方都市で会員制語学スクールの夢を実現するのだ。」Atlasでは、今もその夢を追いかけています。なぜならNOVAやジオスを破綻させた2008年のリーマンショックより大きな金融危機がやはり、秋に来るからです。その緊張の時間が迫りつつあります。
1989年のバブル崩壊と2008年のリーマンショック、そして今年2016年はジャンク債とユーロの動きに酷似した動きになっています。上海株の急落が始まれば、その前に日本株下落のスタートが始まりそうです。次の本命はさらなる大企業の経営危機となるでしょう。この想定できる金融危機を乗り切るためにも、Atlasマンツーマン英会話では東京ではなく、地方都市に教室運営を始めたいと考えています。
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