ドイツ銀行の株価を見ると2008年リーマンショックの時より、その株価は下げています。その下げ方は、もはや倒産、破綻と呼べるレベルに近いと思うのです。一般的には全世界の株も売りに転じているのです。
イギリスのEU離脱は、そのドイツ銀行の破綻を嫌ってイギリスの銀行業界が積極的に離脱に傾いたといわれ始めてきました。もはやヨーロッパ金融危機の始まりを宣言する環境は整ったのでしょう。
イタリアのシエナ銀行の銀行取付け騒ぎの後始末にベイルインを用いるか、あるいはベイルアウトにするか論争中のEUですが、ベイルインは預金封鎖と同時に預金は返済しない、ベイルアウトはある限度額は返済する仕組みになっています。
このベイルインになれば預金は保全されないことになり、イタリアの銀行から一斉に資金は流出することになります。預金封鎖の恐怖が世界で最初にイタリアを襲っています。金融はもう大混乱しているのです。
イギリスのEU離脱決定後、ヨーロッパの銀行株は暴落しています。特に、ドイツ銀行の株価は日に20%と異常な下げ方をしているのです。今回も残念ながら日本のメディアではこのニュースが参院選の報道規制で多くは語られなかったようです。
実に巧妙な情報操作は、政府により悪い情報は出さないことになっているようです。株価は日銀と年金で買い支え、今年の年金の損が10兆円の事実も報道されずに日本人の年金は株を買い支えています。
アメリカでは過去最高値の国債価格になり、もはやこれ以上金利が下落しないところまで金利は低下しました。テクニカルには1982年からの35年以上に及ぶ金利低下の終了が予測できます。もはや政府、中央銀行は策を使い尽くした感があります。
ドイツ銀行の破綻の時期を検討すれば、イタリアの金融危機の深刻さはさらに拡大し、全ヨーロッパに連鎖するでしょう。株価から見るドイツ銀行はドイツ国内従業員の数千人のリストラが予定されています。このレイオフ報道が、ドイツ銀破綻を決定させるでしょう。
アメリカ銀行株指数BKXは60を切り下げると、アメリカも金融危機も参戦することになるでしょう。そして、話題になったロンドンの不動産ファンドの解約急増と解約停止問題は、あまりに大きな解約が来たので、ファンドは解約を中止することにしたようです。そのロンドンの動きがニューヨーク市場に移ってしまいました。
ニューヨーク市場では買い手が消えてしまった不動産と不動産ファンドですが、香港も同じような状況です。これで世界の不動産バブルは崩壊の道を歩み始めました。1990年代の日本の不動産物語と同じことが世界的に始まっています。
イタリアの銀行倒産とドイツ銀行の破綻で、世界中の株価の大変動が始まればリーマンショック以上の深刻な金融危機に陥るでしょう。ドイツ銀行の破綻はすぐそこにあり、始まりはいつも突然、そして秋には恐慌を迎えることになりそうです。
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