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リオ・オリンピック前に五輪後不況が来てしまったブラジル②

ブラジルの場合、中央銀行が量的緩和によってマネタリーベースを拡大すると、実際にマネーストックもかなり大幅に伸びていたことがわかります。その意味では、先進諸国と違ってブラジルでは中央銀行による量的緩和が「一応」成功していました。

 

しかし皮肉なことに、マネーストックの伸び率が2014年の9.9%から2014年の6.2%へと急低下するとともに、それまで6%台だった消費者物価上昇率が突然9~10%台に跳ね上がりました。しかも年間平均で見ると9.0%の伸びですが、各年末の数値で比較すると10.7%の伸びとインフレが加速する危険な兆候がもろに出ています。

 

この変化を説明する最大の要因は、それまで曲がりなりにも拡大されたマネーストックがエネルギー・金属資源の中国への輸出量拡大といった実体経済の成長に寄与していたのですが、中国の総輸入額激減で生産活動での行き場を失い、モノやサービスの価格上昇につながったということでしょう。

 

2007~2009年の国際金融危機でも、2011~12年のユーロ圏ソブリン危機でも、ブラジルの小売売上高伸び率はかなり深刻に落ちこんでいました。しかし、アメリカの連邦準備制度(Fed)が量的緩和政策からの出口模索を公然と語るようになり、米ドル高が進んでからの小売売上高成長率は、横ばいから慢性的なマイナス成長へと激変しています。まさに、アメリカがくしゃみをすれば、ブラジルは急性肺炎で集中治療室送りなっているのです。

 

日銀や欧州中央銀行は、いまだに未練がましく量的緩和にしがみついています。しかし、世界最大であるばかりか、もっとも機動性の高い資金が集まるアメリカの金融市場をコントロールしているFedが「量的緩和からの出口を模索する」と公式に表明した瞬間から、潮が引くように先進諸国から新興国への投融資が減少し、中国がこれまでどおり資源を買いきれなくなり、ブラジルで失業率の低下ペースが鈍り、就業者数が減少に転じたのです。

 

米ドルが新興国通貨に対して下がりつづけることを前提に米ドルキャリーで新興国への投融資を実行していた投資家も、その投融資を受け入れていた新興国企業も、米ドルの上昇で甚大な被害をこうむりました。その典型が中国とともにブラジルです。

 

「中国ほどバカげた規模で生産能力を拡大したわけではないから、傷も浅いだろう」という考え方もあるかもしれませんが、中国よりはるかに脆弱な経済成長の基盤しか持っていないところに築いてしまった砂上の楼閣のような生産能力だから、バブルが崩壊してからの被害はもっと深刻になるかもしれないのです。

 

ブラジル中央銀行が定める政策金利の長期動向もまた、ハイパーインフレ末期の1993年には4000%というようなべら棒な数字だったことが示されています。1994年以降の政策金路はずっと水平軸にへばりついたままで、年ごとの変動はほとんど読み取れません。

 

しかし、これだけ低金利が定着している現代世界で、あい変らず政策金利が2ケタという高金利国なのだから、他国の金利がゼロ近辺から2~3%へと上昇するときには、ブラジルの政策金利は10%台から100%台、1000%台へと跳ね上がるかもしれません。

 

現在40代以上のブラジル人の大半は、クルゼーロからレアルへの通貨呼称変更をともなう1986~94年のハイパーインフレを生き延びた体験があります。それだけに、インフレ率の慢性的な加速傾向が見られると同時に、ハイパーインフレにいたる一本道を突っ走ってしまう可能性がむしろ高いのではないでしょうか。

 

結局のところ、ブラジルには五輪後不況がオリンピック開催前から来てしまったことが教えてくれる現代世界経済最大の問題点は何でしょう。。現代世界経済は、製造業が全盛期から、成熟期を経て、衰退期に入ったにもかかわらず、製造業特有の巨額投資をまかなうための金融業肥大化はそのまま放置し、むしろさらに拡大させてしまいました。その結果、世界中に構造的な貯蓄過剰状態が定着しています。これを突破する道が、2007~2009年の国際金融危機までは二つ存在していました。

 

ひとつは、消費者ローンが残って入り家でも時価評価額が残債より高ければ差額を課すローンのような消費者をカモにして小規模資産を大勢の消費者から巻き上げることでした。もうひとつが、新興国への投融資でした。これは決して、新興国のプロジェクトのほうが好収益だとか、資金回収にまつわるリスクが低いからというような積極的な理由で行われたことではありません。ほかには投資先も融資先も見当たらないことから採用した、究極の消去法の選択でした。

 

2007~2009年の国際金融危機は、この二つの道のうち先進諸国の消費者に借りたカネを遣わせるというほうを塞ぎました。先進諸国の個人家計はレバレッジを引き上げはせずに、少しずつでも低下させつつあります。

 

しかし、新興国への投融資は、まだ塞がれていません。むしろ年を追って累積する過剰貯蓄のはけ口がふたつからひとつに減ったので、拡大しています。いずれは歴史の審判を受けなければいけない道ですが、中国が原材料、中間財、資本財をこれまでどおりに買いきれなくなって、輸入総額を激減させているという事実は、その歴史の審判がもう始まっているという警鐘なのかもしれません。

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