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イギリスEU離脱後の金融危機が暴露する金融業界の狂気

イギリスのEU離脱をきっかけとした株価急落の値戻しもほぼ終了し、世界中の主要株価指数の値動きが頭打ち状態に達していた7月は、実は金融市場にとって地殻変動とも呼ぶべき大きな変化が起きた月だったことがわかります。

 

まず新興国債券ファンドへの資金流入額が史上最高の49億ドル(約5190億円)に達しています。一方、正反対の方向に同じような振幅の大激動が生じています。ヨーロッパ諸国の株式で構成されたファンドからの資金流出量が、これまた史上最高の62億ドル(約6570億円)に達していたのです。

 

2つのを見比べて、振幅の大きさがほぼ同じで方向が反対だという事実からもわかるとおり、これは世界中のプロの投資家がいっせいにヨーロッパ株から逃げ出し、新興国債券になだれこんだことを示しています。

 

ヨーロッパ株から資金が逃げ出す理由はとてもわかりやすく、イギリスのEU離脱のもっとも重要な意味は、15世紀末から少なくとも現在まで続いていた欧米諸国による世界市場の制覇が、ついに退潮に転じたことを象徴する出来事だったことにありそうです。

 

19世紀半ばまでイギリス主導の世界の西欧化が進んでいた時代には、世界は「大国から人工国境で守られた超大国へ」という誇大妄想的な拡大志向に支配されてはいませんでした。ところが、19世紀後半から徐々に新興国、アメリカが世界の市場経済のリーダーシップを取るようになると、広い国土と膨大な人口を擁する超大国こそが、経済繁栄にとって必須の条件であるかのような風潮が蔓延しはじめました。

 

広い国土と膨大な人口がほぼ例外なく有利な人間的所業と言えば、まず戦争でしょう。そして、世界市場に占めるアメリカという人工国家の地位が高まるにつれ、軍需産業における優位を確保するための重化学工業の大規模がとんでもないペースで進行しました。これは、ロシア帝国で起きた革命で成立したソビエト連邦は人工国境国家アメリカの東欧・中央アジア版であり、大清帝国の革命で成立した中国も、東アジア版でした。

 

第二次世界大戦後のヨーロッパ史を一言で言うなら、言語、文化、伝統、歴史の差をいっさい捨てて、自分たちが生み出した鬼っ子である人工国境国家アメリカのヨーロッパ版をつくって、超大国全盛の世の中から落ちないようにという努力の連続でした。しかし、結局のところEUも、この人工国境国家の形成に失敗してしまいました。それを周知の事実として示したのが、イギリスが国民投票によってEUからの離脱を決定したことだったのです。

 

だからこそ、これまでのところイギリスで下落が著しいのは、不動産や不動産投信に限定されているのに対し、イギリスをのぞくEU諸国では、株式市場全体が暴落し、銀行業界一般に危機が広がっています。同じような人工国境国家の崩壊に見える1980年代末のソ連・東欧圏崩壊は、しょせん周縁的な諸国での激動に過ぎませんでした。しかも、イデオロギー的に覇権国家アメリカとは正面から敵対する国家群の消滅・解体・変動でした。

 

イギリスのEU離脱は、アメリカの母国であるイギリスが「ヨーロッパ統一人工国境国家の創出は幻想にすぎない」と烙印を押したようです。ソ連・東欧圏の崩壊とは比較もできないほど、世界経済覇権の本丸近くで起きた大変動です。だとすれば、ヨーロッパ株で組成されたファンドから資金がすさまじいペースで流出しているのは、当然の成り行きでしょう。

 

イギリスのEU離脱というヨーロッパ超大国化の夢崩壊によって、新興国の債券市場が恩恵を受けるべき理由がたったひとつでもあるでしょうか。何ひとつ、思いつくメリットがありません。しかし、ヨーロッパ株ファンドから流出した資金の大部分は、新興国債券ファンドに逃げ場を見出しました。ヨーロッパでバタバタと大企業が債務不履行や破綻に追いこまれる情勢になったら、経済基盤がはるかに弱い新興国の債券はもっと手ひどくやられるでしょう。

 

ここに、金融業界が異常に肥大化した社会の根源に存在する狂気が露呈しています。特定の運用対象から大金を回収したファンドマネジャーがまず考えることは、すぐに資産を回収することです。相場が極端に不安定化しているから、しばらく現金のまま持っていようなどという優雅な方針を貫ける人は、いつの時代もごく少数です。

 

回収した資金をなんらかの投資対象に振り向けなければ運用益が稼げないからです。そして、ゼロ金利やマイナス金利が日常化している日米欧の債券ファンドに振り向けても、運用益が稼げないという状態は厳然として存在し続けます。

 

これが5~6年前なら新興国債券ファンドはヨーロッパ株ファンドと比べて資金規模が小さすぎて受け皿にならなかったでしょう。しかし、近年新興国債券ファンドも流動性が画期的に高まっていて、ヨーロッパ株ファンドから逃げ出した資金の受け皿になり得ます。

 

そこでは、目先の運用益確保という短期的な視点だけが重視され、現状で新興国債券ファンドを持っていることがいかなる危険をはらんでいるかといった中長期的な視点はすっぽり欠落してしまうのです。こうした事情を背景に、2016年7月の世界金融市場では、以下のような何十年に一度起きるか起きないかといった異常な資金移動が目白押しで起きていました。

 

世界中の株式を根拠資産とした運用商品の資金流出入は、ETFに36億ドルの流入があった反面、投資信託で98億ドルの流出があって、差し引き62億ドルの流出でした。

 

これをさらに以下4地域の内訳で見ると、新興国株が過去12ヵ月間で最高の47億ドルの流入となっています。ヨーロッパは、すでに見たとおり、62億ドルの流出で、これは24週間連続の流出となっていた。日本は過去12週間で最大の11億ドルの流出でした。アメリカはどちらかと言えば小さめの27億ドルの流出でした。株・債券をふくむ日本特化型ETFの運用資産総額は、年初来7月まで42%減少しました。それほど、延々と日本の金融市場全体から資金流出が続いているのです。

 

株式市場の資金流出入をセクター別で見ると、金融株には2015年12月以来で最大の8億ドルの流入がありました。上場不動産投信は過去5週間で4週間の流入となっていて、7月末は6億ドルの流入でした。ハイテク株からは過去5週間で4週間流出が続き、今週は6億ドルの流出でした。

 

世界中の債券市場には、過去16週間のうち14週間資金が流入していました。ハイイールド債は3週連続の流入で、今週の流入額は21億ドルでした。投資適格社債からは1週間で52億ドルもの資金が流出しています。地方自治体債には44週間連続の流入があり、今週の流入額は9億ドルでした。国債/米国財務省債からは、過去15週間で最高の14億ドルの流出がありました。

 

新興国債券がこれだけ巨額の資金を集める中で、当然突出した資金を惹きつけているのは問題山積の中国でしょう。中国商務省が7月19日に発表した世界の対中国直接投資総額は、前年同期比1.5%増の694億ドル(約7兆3500億円)と微増に過ぎませんでした。

 

しかし、国別では、アメリカが前年同期比で2.4倍、ドイツが同9割増と、抜け目なく立ち回る企業経営者や投資家が多い国ほど、顕著に増えています。一方、日本は前年同期比14.4%減の17億2000万ドル(約1820億円)にとどまりました。やはり、企業エリートや金融業界関係者の凡庸さ、決断の遅さこそ、日本が世界に誇る無形資産と言えるのではないでしょうか。

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