マスメディアや経済雑誌を読んでいても、一昔前はベンチャー企業と呼ばれていたスタートアップ企業やフィンテック(ITと金融の融合)などが騒がれています。しかし、25年以上も経営者として生きてきた私としては、ビジネスの本質はそんなところにあるのではないと思うわけです。
なぜなら、私たちの人生はこれからも数十年と続いていくものだからです。IPO(株式上場)で終わるのが創業者の人生ではなく、むしろそこから先が大事だということです。
まだお勤め人(サラリーマン)の方や、まだ起業されていない方に申し上げたいことは、経営者というのは生き甲斐そのものであるということです。
経営者でない限り、他人の飯を確保することはありませんから、基本的に他責でいられるのが現代の資本主義というシステムです。何か職場で起きても基本的には誰かのせいにできるわけです。しかし、経営者はそういうわけにはいきません。全てが自分のせいにしなければなりません。
特に中小・零細企業の場合、何か悪いことが実際に起きた時には財政的にいとも簡単に吹き飛ばされてしまうということもあり、それはもう不安で仕方がないわけです。だから、24日間・365日、常にもがき苦しんでいるというのが経営者の実態となっているといるわけです。
そのような実態を、マスメディアや経済雑誌が一切語ることはありませんが、そうした苦渋の状況から抜け出るために必要なことは、その場限りのビジネスから「リテイナー・フィー・ビジネス」へと舵を切ることが考えられます。
つまり、数十年も継続的にサービスを提供することをお客様とお約束する代わりに、基本的には契約破棄・退会リスクがある形でのご契約を頂くという提案です。
なぜこのリテイナー・フィーが重要なのかといえば、将来的にどのくらい自分が収益や人材を得ることができるのかが計算できるからです。これは大きな安心感の獲得に繋がり、経営者の皆さまの基本的な悩みはほぼ解消されることになります。
ただし、リテイナー・フィー・ビジネスは、どんな業種や誰でもできるわけではありません。なぜなら、リテイナー・フィーを得るためには、見た目の良さや技術力が高ければ良いというものではないからです。前提として、企業の経営者や従業員個人が信頼できるかどうかが世間様によってじっくりと見られています。
そして、地理的にも1か所で運営するのではなく、全国展開するか、自分自身で全国を歩き回りながらマーケティングを行っていくしかないわけです。要するに、企業として、個人として、絶対的な信頼と全国的な市場をこなしてこそリテイナー・フィー・ビジネスで安定を得ることができるようになれるということです。
実際、詳しくリテイナー・フィー・ビジネスについて書かれた本はまだ出版されたことはなく、書籍に並んでいるような「ビジネスの仕組み」などというタイトルの本がありますが、そこには本当の極意など書かれていません。むしろITを導入することで、すぐに賞味期限切れとなるようなデバイスのことばかりが書かれているわけです。
いずれにしても、私は20年以上も国内唯一の「会員制語学スクール」の経営を全国で展開してきましたが、似たようなビジネスを展開されている経営者の方であっても、このリテイナー・フィー・ビジネスという単純なことに気が付かないていないために、気づいた時には単なる事業者で終わってしまっているように思います。
多くの経営者の方は、主要ターミナルの駅前で立派な店舗を構えられたり、日々ブログを一生懸命書かれたり、各分野で修行を積まれたりしています。それはそれで素晴らしいのですが、ビジネスとなればリテイナー・フィーを得られるかどうかにかかっているわけです。
そして、その前提としての絶対的なお客様の信頼の獲得と全国展開によって、その商品やサービスに自信があるのであれば、あとはこのリテイナー・フィー・ビジネスという売り方の極意をつかむしかありません。
今、地方創生が声高に叫ばれていますが、結局は地場の行政の自己満足や、不動産業者だけしか儲からないというのが現状です。しかし、2020年以降は皆さまが笑顔で日々を過ごされるようになるため、この極意について私が詳しく説明できればと考えています。
そしてそのことを通じて地域社会を担う余裕のある普通の方々、さらに笑顔の方々が一人でも増えることによってのみ未来がやって来ると私たちAtlasではそう考えています。
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