韓国人は米朝首脳会談をテレビで観て、互いに抱き合って喜んでいます。これで自分たちは、北朝鮮の同胞と一体化することになり、近い将来には民族統一し、世界の一等国になると思い上がっているように見えます。
そして、北朝鮮と統一することで、実質的に韓国も核保有国となったわけです。つまり、日本は韓国よりも下の国となったと認識するようになったということです。日本は、1990年代後半に経済大国の座からは転落していましたが、今回、北朝鮮と韓国が軍事力(核保有)で2等国になり、自動的に核兵器を持たない日本は3等国に転落したことになります。
トランプ大統領は、アメリカ本土にまで届く北朝鮮の長距離核ミサイルを破壊するか、アメリカに引き渡すと語っています。ということは、短距離弾道ミサイルのノドンと中距離弾道ミサイルのテポドは、今のまま北朝鮮に保有されるということです。これでトランプは満足したということです。
このように、トランプはアメリカ・ファースト、つまり、もうアメリカ国民のことしか考えていないことがはっきりと分かりました。アメリカ・ファーストとは、「アメリカ国内問題優先主義」のことです。記者会見で語った米朝首脳会議の中心的な内容は、長距離ミサイルを廃棄するという問題だけであったといえます。
トランプにしてみれば、アメリカまで届くとされる長距離核ミサイルさえ廃棄してくれればそれ以上望むことはなく、残りの短・中距離核ミサイルについてはどうでもいいと考えており、しかもアメリカは、それらの核ミサイルの廃棄や査察までは形の上だけしか求めないということです。
これらの短距離(ノドン)・中距離(テポドン)ミサイルは、確実に日本に届くとされています。ということで、いざという時、日本は北朝鮮から脅されるや狙われることもあることから、この事態は深刻であると捉えるべきだということです。
現在、世界中のメディアと新聞記者たちは口を揃えて、「トランプの金正恩に対する交渉が譲歩しすぎた」と報じています。そして、米朝共同声明への最大の批判は、「CVID(完全で、検証可能で、不可逆的な、核兵器の廃棄、破壊)の文言が合意書に書かれなかった」ことです。
また、非核化のための検証作業のことも具体的なことは何も合意書に記載されていなかったというわけです。マスメディアのみならず、トランプへの批判の嵐が世界中で巻き起こっているなどと報道されています。英語の合意書全文を読んでみても、明らかに具体性が何もなく、具体的に何も決まっていないことが分かります。
英語の読解力がしっかり身に付いている人であれば、誰が読んでもこれまで行ってきた北朝鮮との交渉と何ら変わりはなく、むしろそれよりもさらに悪くなっている印象を持ってしまうと思われます。それらの論評や新聞記事がここ数日間で報道されてきたわけです。中には、真の勝者は中国」という評論もあったほどです。
特に、合意書に必要な事項として、「いつまでに非核化するのかの期限が全く何も書かれていない」という点については、重要な契約では、「当事者名と日付、そして金額の明示と、それがいつ実行されるのか」が、書かれていない契約書は無効であるというのがどの国でも当てはまるでしょう。
不動産王トランプは、長年ビジネスマンとして契約や交渉を繰り返してきたはずですが、このビジネス上の基本を「わざと」無視したようにも考えられます。結果的に、大きな欠陥を後世に残し、致命的な誤りをしてしまいました。
アメリカに帰国後、テレビのインタビューでトランプが応えた姿をみても、このことを自覚しているようですが、ふてぶてしい態度は変わっておらず、誰の目にも明らかに居直っていたように見えました。
|