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中国の石油先物取引の開始と基軸通貨米ドルの崩壊

3月26日、ついに長い間待たれていた中国の通貨(人民元)建ての石油先物取引が開始されました。取引は上海先物取引所の一部分である上海国際エネルギー取引所で行われています。取引銘柄の番号はSC1809です。

 

取引価格は、始値を1バレルあたり416元(約66ドル)となりました。この取引には、中国や海外の投資家が参加でき、すでに160以上の国内ブローカーや中国海洋石油総公司、中国石油天然気集団公司、さらに中国石油化工総公司の子会社のような国有石油会社が登録しています。

 

また、JPモルガンやバンク・フィナンシャル、ストレーツ・フィナンシャル・サービスなどの欧米の金融機関、そして国内ブローカーの香港の子会社など約11社の外資系投資銀行も取引登録をしています。

 

この上海先物取引開始の目的とは、価格を中国の製油業者が取引している原油に可能な限り近づけ、米ドルをベースにしたWTI原油先物やブレント原油先物など国際的な価格指標から支配力を奪い取ることにあります。

 

前回も詳しく書いたように、アメリカ覇権の基礎になっているのは基軸通貨が米ドルであるという事実です。自由貿易で各国に開放したアメリカ市場には世界のあらゆる地域から原油が輸出されていますが、これまで米ドルが基軸通貨であるため代金はすべて米ドルで支払われてきました。

 

一方、世界各国は自国通貨の上昇を嫌い、受け取った代金を米ドルのままアメリカ国内の市場に再投資せざるを得なかったため、米ドルを自国の通貨に両替するとその通貨価値は上昇し、輸出にとって不利でした。

 

今後も米ドルが世界の基軸通貨のままであれば、米ドルは自動的にアメリカに還流してくるというシステムが存在している限り、アメリカ政府の財政赤字は国債の販売を通して補填されるので、覇権国としての経済力の基礎が築かれるというわけです。

 

しかし、中国による人民元建ての石油取引が始まるとこの状況は一変する可能性があります。まず、人民元建ての原油先物取引が可能になると、アメリカの経済制裁下にあるロシアやイラン、さらに反米のベネズエラやイランとの関係の強い原油輸出国は、人民元建てで世界最大の中国市場に向けて原油輸出が可能となります。

 

さらに、中国から人民元で受け取った輸出代金は、同じ上海市場で金地金で受け取ることもできることになっています。この結果、米ドルの使用を回避したい多くの国々は、人民元決済を選択することで米ドルベースの金融システムに依存する必要性もなくなってくるというわけです。

 

この影響力は大きく、世界最大の石油輸入国である中国の決済通貨が人民元になれば、サウジアラビアなど多くの産油国は、石油を上海原油先物取引所で売り、この上海市場の価格が世界の石油価格の基準となるものと考えられます。

 

そして、中国の旺盛な輸入が背景となることで他の商品にも人民元決済の波は拡大することは間違いないと思われます。その結果、アメリカ覇権の基礎である米ドルの基軸通貨体制も揺らいでくることは目に見えていることで、新しい世界秩序をリードする位置に中国が就く可能性が高くなるはずです。

 

これは、現在の世界秩序を大きく変化させる事態であることは間違いありません。しかし、こうした状況に突然なるというわけではなく、世界的に米ドルに代わり基軸通貨を人民元にする動きは、中国政府の設定した比較的にゆっくりとしたペースで、それも水面下で進むと見られています。

 

今回の上海原油先物取引所も、大きな公式の発表もなくひっそりと行われたため、いつものように日本のマスメディアではほとんど報道されていません。ロイターやブルームバーグのような欧米メディアでも、複数の中国の金融機関に取材してようやく明らかにしたということでは、これはほとんど発表されていないということになります。

 

また、上海原油先物取引でいきなり人民元が使われるのかといえばそうではなく、中国の新華社通信の記事によると、上海先物市場では取引価格の表示は人民元であるものの、しばらくの間、決済通貨は米ドルになり、人民元ではないとしています。さらに、これからは米ドルだけではなく、ユーロや円など他の通貨による決済も可能になると報道されています。

 

そして人民元による決済ですが、年内にも徐々に始まる見込みとしていることで、中国最大の石油輸入先であるアフリカのアンゴラやロシアが人民元建てで石油を売る最初の国々になる見込みになっています。

 

しかし、新華社通信によると、人民元建ての決済が可能になったとしてもすぐに取引量が一気に増えるとは考えにくいと報道しています。その理由は、人民元建て決済が行われるためには、これが世界的な石油会社やトレーダーたちの支持が必要になるからです。

 

原油の決済通貨が人民元になるためには、売りたいときに売ることができ、買いたいときに買えるだけの十分な取引量が市場になければいけないというわけです。人民元建て決済が始まった当初は、この条件を十分に充足できるほどの取引量は期待できない可能性が高く、そのため当初はトレーダーの支持が得られないことで、人民元建ての石油先物取引はかなり低調なところからスタートするのではないかと言われています。

 

※本コラムは、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。金融商品の売買は購読者ご自身の責任に基づいて慎重に行って下さい。弊社は読者が行った金融商品の売買についていかなる責任も負うものではありません。

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